高齢者のための快適な住まいづくり:リフォームのポイントと事例
現在、高齢の親のためのリフォームが注目されています。一方で、「具体的にどこからリフォームをすべきか分からない・・・」「リフォーム費用は高額なイメージがあるため親のためにしてあげたいができるかどうか・・・」といった悩みもあると思います。
そこで、本記事では優先的にリフォームを実施すべき箇所や、費用を抑えるためにできる工夫や補助金の活用方法について解説しております。
ご自身も生まれ育った大切な家であり、ご両親にとっても住み慣れた家で最後まで暮らしたいという思いがきっとあるはずです。少しでも「ご両親のために何かしてあげられることはないか?」とお悩みの方がいらっしゃいましたらまずはこの記事をお読みください!
高齢者向けリフォームが注目される理由
冒頭でも述べました通り、現在、高齢の親のためのリフォームが注目されています。
その背景には、「高齢者化社会の進展」と「高齢者の自宅での転倒事故の増加」が考えられます。
【背景1】高齢化社会の進展
令和5年9月17日・総務省刊行・「統計からみた我が国の高齢者」という記事に掲載された下記グラフによると、1950年から2023年にかけて高齢者の数は右肩上がりに増加していることがわかります。
また、同記事に掲載された下記表によると、2023年の高齢者の総人口に占める割合を比較すると、日本(29.1%)は世界で最も高く、約3人に1人は65歳以上の高齢者という計算結果になります。
【背景2】高齢者の自宅での事故発生率
家庭内の事故で亡くなる人はどれくらいいるか皆さんはご存じでしょうか?
「政府統計の総合窓口」によると、家庭における不慮の事故で亡くなった人は16,050人でした。これは交通事故で亡くなった3,573人の約4.5倍の人が家庭内の事故で亡くなったことになります。
また、家庭内の事故で亡くなった16,050人の内、65歳以上の方の割合は88.7%と高齢者の方にとって家庭内というの安全な環境とは言えないのが現状です。
上記2つの背景を踏まえ、高齢の親が安全かつ快適に暮らすためのリフォームを検討する40~50代の高齢の親を持つ子ども世代の方々が増えてきていることが、高齢者向けリフォームが注目される理由となっています。
ここからは具体的に、優先的にリフォームを実施すべき箇所や、費用を抑えるためにできる工夫や補助金の活用方法について解説していきます。
リフォームで考えるべき優先エリア
高齢者向けリフォームが両親のために必要なことはわかったものの、具体的にどこからリフォームをすべきか分からないという方は多いのではないでしょうか?
ここでは、リフォームで考えるべき優先エリアを紹介すると共に、具体的な対策例も交えて解説いたします。
(1)浴室
浴室は冬場のヒートショックや転倒事故が多く発生します。
そのため、浴室は高齢者にとって特に注意が必要なエリアであり、「浴滑りやすい床や狭いスペース」「浴室に温度差ができやすい状況」はリスク要因となるため、適切な対策が必要です。
浴室リフォームで最も優先すべき事は、ヒートショック対策として浴室暖房の導入です。これにより、温度差を軽減し、入浴時の安全性が向上します。
また、滑りにくい素材の床や手すりの取り付けも基本的な対策です。これにより浴室での転倒を防ぎます。
さらに、お風呂の浴槽の高さを調整し、出入りをスムーズにすることが大切です。洗い場を広げることで身体を動かしやすい空間を確保し、快適に利用できるようになります。
これらの工夫を施すことで、浴室リフォームは安全性と快適性を共に向上させます。高齢の親が安心してお風呂を楽しむための環境作りが可能になります。
〔関連記事はこちら〕
≫給湯器の工事費用とは?
≫高齢者向け浴槽リフォームについて徹底解説!
(2)トイレ
トイレは高齢者にとって日常生活の中で非常に重要な場所となります。
そのため、使いづらさやスペースの狭さに起因するストレスを軽減するためのリフォームが推奨されます。
トイレの壁や便器の近くに手すりを設置することで、立ち座りの動作がスムーズになり、安心感と安全性を高めることが可能です。
また、和式トイレから洋式トイレへのリフォームを行うことで、身体への負担を軽減し、より快適に利用できる空間を作り上げることができます。洋式トイレの導入に際しては、省スペース設計を活用することでトイレ空間全体を効率的に広げる工夫が重要です。
さらに、自動洗浄機能や脱臭機能が付いた最新のトイレと交換することで、清潔感を保てるだけでなく、日々の掃除の負担を大幅に減らすことができます。
こうしたリフォームは、利便性や快適性を高めるだけでなく、トイレという生活に欠かせない場所を、より使いやすく安心できる場所へと進化させることにつながります。
〔関連記事はこちら〕
≫高齢者向けトレイリフォームについて徹底解説!
(3)階段周り
階段での転倒は大きな事故に直結するため、家の中でも特に注意が必要な場所です。
高齢者や小さなお子様にとって、階段の昇り降りは安全面で重要なポイントとなります。そのため、階段リフォームを行う際には、いくつかの工夫が必要です。
転倒事故の予防を目的に、滑りにくい素材を使用することをおすすめします。
また、照明を明るくすることで視認性を向上させ、安心して階段を利用できる環境を整えることも効果的です。
さらに、階段に手すりを設置すれば、移動がより楽になり、さらに安全性が高まります。
設計上可能であれば、段差を解消するためにスロープを設置する選択肢も有効です。これにより、階段を利用するのが難しい方でも快適に移動が可能となり、家全体の利便性が向上します。
階段周りの安全性を確保することは、家族全員の生活の質を高めるための重要なポイントとなるでしょう。
〔関連記事はこちら〕
≫高齢者向け階段リフォームについて徹底解説!
(4)玄関
玄関は家の顔とも言える重要な場所であり、その機能性を高めるためのリフォームは非常に重要です。
特に高齢者が快適に出入りできるようにするためには、段差の解消がポイントとなります。段差をなくすことで、誰でも安心して利用できる環境を整えることができます。具体的には、スロープを設けることで、車椅子を利用する方や移動が不自由な方にとって大きな利便性を提供します。
また、玄関に十分な明るさを確保するために照明を改善することもリフォームの重要なポイントです。適切な照明によって夜間の安全性も向上し、安心して出入りができる玄関を目指すことが求められます。
玄関周りの安全性を確保することは、家族全員の生活の質を高めるための重要なポイントとなるでしょう。
〔関連記事はこちら〕
≫高齢者向け玄関リフォームについて徹底解説!
(5)リビング
リビングは高齢者が1日の時間の中で一番多くいる場所です。
転倒防止や、暑さ・寒さ対策を適切に行うことが非常に重要なポイントです。
この場所を快適にするためには、動線を考えた家具の配置が大切なポイントです。テーブルやソファの位置を見直すことで移動がスムーズになり、転倒防止に繋がります。
さらに、家具選びではコンパクトで機能的なデザインを採用するのも効果的です。万が一家具を倒してしまった場合でも、コンパクトであれば大きな事故に繋がる可能性を軽減できます。
加えて、リビングの明るさを保つために自然光を取り入れる工夫も重要なポイントです。窓の位置やカーテンの選び方を工夫することで、より明るく開放的な空間が生まれます。
また、快適な温度環境を維持するための断熱性能の改善やエアコンの効率的な利用も、快適さを保つためには欠かせない要素です。
特に、リビングをリフォームする上で検討してほしいのが断熱リフォームで、高齢者が安心して暮らせる「家」を作るための有効な手段です。
「断熱性能」を改善することで、家全体の温度差を抑え、夏の暑さや冬の寒さから高齢者を守ることができます。
特に「リビング」や「2階」のように、一日の多くを過ごす場所や温度ムラが発生しやすい空間には、断熱性を高める取り組みが重要です。
これにより、熱中症やヒートショックのリスクを軽減し、心身ともに健康的な生活を支えることが期待されます。
これらの工夫により、高齢者が一番の時間を過ごすリビングを快適な空間にすることをおすすめいたします。
〔関連記事はこちら〕
≫高齢者でも安全な暖房器具とは?
≫高齢者向け断熱リフォームについて徹底解説!
(6)キッチン
キッチンは火を使う関係上、火災事故に繋がる可能性が高いため、注意が必要なエリアです。
またキッチンは狭い空間であることが多く、キッチン内での転倒は大きな事故に繋がる可能性が高くリフォーム優先度は高いエリアです。
火災事故の防止の観点から火の消し忘れ防止機能付きのコンロなどを導入するこをまずはおすすめします。
また、転倒防止のために高齢者の身長に合わせた高さに食器類の手が届くような導線の再設計をすることも非常に有効です。
また、調理や片付けの際の安全を考え、滑りにくい床材や明るい照明の選定も重要となります。加えて、収納スペースの工夫や家具の配置にも配慮することでより安全に使える空間を作ることができます。
これにより、日常生活の利便性が向上し、快適なキッチン環境を実現できます。
〔関連記事はこちら〕
≫高齢者でも安全なガスコンロとは?
≫高齢者向けキッチンリフォームについて徹底解説!
(7)庭
庭のリフォームは、居住環境をより快適にするための重要な要素です。
特に高齢者にとって、庭はリラックスできる場所であると同時に、維持管理も考慮しなければなりません。
草取りの負担を軽減するためには、芝生や低メンテナンスの植栽を選ぶことが効果的です。
さらに、舗装やウッドデッキの設置も、移動のしやすさを向上させます。
また、庭に手すりを取り入れることで、安全性を高めることも可能です。その際、視覚的に楽しめるデザインや色合いを考え、バリアフリーの観点からも配慮しましょう。
照明を追加することで、夜間の安全対策も強化されます。
庭をリフォームすることにより、居住空間全体の質を向上させることができ、生活の質を一層高めることができるでしょう。
リフォーム費用の目安
リフォームを検討するうえで、やはり気になるのは「どのくらいの費用がかかるのか」という点ではないでしょうか?ここからは、先ほど紹介したリフォーム箇所の具体的な費用例を紹介すると共に、少しでも費用を抑えるための節約ポイントについて解説していきます。
※リフォームにかかる費用は、工事内容や住宅の状況によって大きく異なりますので、あくまで参考程度でお願いいたします。もう少し詳しく知りたいという場合には、直接お問い合わせいただければ幸いです。
(1)浴室リフォームでは、手すりの設置や床の滑り止め加工を含めて約30万円から60万円程度が一般的です。浴槽のまたぎ高さを下げる工事を加えると、費用がさらに増える傾向にあります。
(2)トイレリフォームは、和式から洋式への変更が含まれる場合、おおよそ20万円から40万円程度が目安です。手すり設置や便座の交換を含んだ場合も、トータルで同程度の費用がかかります。狭いスペースの対応や収納部分の改良を行うと、追加費用が発生します。
(3)階段周りのリフォームは、安全性を高めるために滑り止め加工や手すりの設置が主な工事内容となり、15万円から50万円ほどの費用がかかる場合があります。段差解消のためのスロープ設置には、材料費や設置作業を含めて20万円前後かかることもあります。
(4)玄関リフォームは、段差をなくしスロープを設ける場合で約20万円から70万円を見込んでおく必要があります。照明の増設や扉の改修も含めると、費用が重なることがあります。
(5)リビングリフォームは、動線改善や照明の見直し、床材の張替えを含めて20万円前後が目安です。家具配置の最適化や段差解消も加えると予算は増える傾向にあります。
(6)キッチンのリフォームは、高さ調整や収納の使い勝手改善を行う場合、30万円から80万円程度になります。安全面を考慮した段差解消や滑りにくい床材への変更なども加わると、費用はさらに上がる可能性があります。
(7)庭のリフォームは、安全に歩けるように平坦に整地し、手すりや照明を設置する工事が主流で、一般的に10万円から50万円程度の費用がかかります。植物の植え替えや塗装面の改良を含めると更に費用がかかるケールがあります。
これらの費用はあくまで目安であり、具体的なプランや施工内容により変わります。見積もりを複数業者から取得して比較検討し、費用に見合った工事を選ぶことが重要です。
リフォーム費用を抑える方法
ここからはリフォーム費用を抑える方法について解説していきます。
費用を抑えるための3つの工夫
費用を抑えるための工夫の1つ目は、「適切なタイミングで施工を行うこと」です。具体的には世間一般的にリフォーム業界の繁忙期は3月~5月と、9月~11月と言われているのでこの時期を避けることで業者からの割引やお得なキャンペーンを活用できるチャンスが広がります。
費用を抑えるための工夫の2つ目は、「複数の業者から相見積もりを取得すること」です。提案内容や価格を慎重に比較することで、自身の予算やニーズに合った最適なプランを選ぶことが可能です。これにより、無駄な費用を削減できるだけでなく、満足度の高いリフォームに繋がります。
費用を抑えるための工夫の3つ目は、「自分で対応できる簡単な作業を取り入れること」です。これにより業者に依頼する範囲を抑えることができ、その分リフォーム全体のコスト削減に繋がります。
これら3つの工夫は誰でも取り入れることができますので、リフォームを検討する際にはこの3つの観点を忘れずにしてくださると幸いです。特に、2つ目の「複数の業者から相見積もりを取得すること」は昨今話題となっているリフォーム詐欺の防止観点からも有効な対策となりますため、「色々な業者から相見積もりをするのは面倒だ」という気持ちを抑えてぜひ実施いただけると幸いです。その1つに弊社ミライフも加えていただけると非常に嬉しい限りです。
3つの補助金制度の活用
使える人は限られてはいますが、リフォームにはまとまった費用がかかるため、国や地方自治体の補助金制度を有効活用することが大切です。どのような補助金があるかを事前に把握しておくと、リフォームの計画を進めやすくなります。ここでは、3つの補助金制度についてご紹介いたします。
補助金制度の1つ目は、「介護保険法に基づく住宅改修費の支給」です。対象の方は要支援または要介護認定を受けた方となります。段差の解消や手すりの設置などの改修に対して、最大20万円まで補助されます。(所得に応じて1割から3割自己負担)
(出典)介護保険にかかる住宅改修
補助金制度の2つ目は、「高齢者住宅改修費用助成制度」です。介護リフォームを行う際の経済的な負担の経験を目的に、工事費用の9割、上限20万円が補助されます。
補助金制度の3つ目は、「地方自治体の補助制度」です。こちらはお住いの地域によって内容が変わるため具体的な例を出しての説明は控えますが、各自治体が独自に実施している補助金制度がある場合がございます。詳細は、お住いの市区町村の公式ホームページや住宅リフォーム推進協議会の検索サイトで確認できます。
補助金制度の内容は随時変わっていきますので、最新の情報をご自身でもお調べいただけますと幸いです。補助金制度のことを調べるのが面倒な場合は、リフォーム業者に直接相談してしまうのも1つの手かと思いますので、ぜひ無料のご相談をご検討ください!
高齢者リフォームを成功させる4つのコツ
最後に、高齢者向けリフォームを成功させるコツを4つご紹介いたします。
(1)生活動線上の危険個所をチェック
重大な事故が発生しやすいキッチンや浴槽などの部分的なリフォームについて解説いたしましたが、高齢の親が安全に過ごすためには、生活動線上の危険性ををチェックすることも重要です。
具体的には、生活動線上につまづきやすい段差や、急な階段はないか?滑りやすいフローリングはないか?を確認いただき、ある場合には、部分的に段差の解消や滑りにくい床材の導入を実施することをおすすめします。
全体リフォームは費用が高くて難しい場合には、比較的安く抑えられる可能性が高い部分的なリフォームを実施することをお勧めいたします。
(2)施工時の目的をチェック
いざリフォーム業者と打ち合わせをしていくと、リフォーム業者が良かれと思ってしてきたデザイン性の高い床材や設備が、高齢の親にとっては逆に不便になってしまう可能性もあります。提案を受けている中で目的を忘れてしまう可能性はありますので、施工時の目的を忘れないように注意しましょう。
(3)業者選びのポイント
業者選びは、リフォームの満足度を左右する重要な要素です。しかし、お客様の目的に合った業者を一発で選ぶのは非常に難しいと考えています。
例えば、費用は安いが工事期間が3か月かかる業者と費用は高いが工事期間が1か月で終わる業者があった際に、お客様の目的によって選ばれる業者は変わると思います。
そのため、先ほども記載した通り、複数の業者から相見積もりを取ることをおすすめいたします。その中にぜひミライフも加えていただけますと幸いです。
(4)実際のリフォーム事例をチェック
実際のリフォーム事例は、成功のヒントを得る絶好の機会です。リフォームを計画する際、実際に行われたさまざまな事例を参考にすることで、より具体的なアイデアを得るだけではなく、注意すべきポイントも学ぶことができます。ミライフも施工事例を多数そろえていますので、お時間ある方はぜひご参照してリフォームのイメージを膨らませていただけますと幸いです。
≫リフォーム事例はこちら!
≫無料お見積りご相談フォームはこちら!
高齢者向けリフォームで快適な暮らしを!
いかがでしたでしょうか?高齢者向けリフォームが注目されている理由から、優先的にリフォームを実施すべき箇所、リフォーム費用の抑え方まで解説いたしました。
平均寿命が延びたことからも分かる通り、健康的な高齢者の方は増えています。しかし、若い時には気にもならなかった少しの段差や急な階段などが高齢の親にとっては転倒などのリスクに繋がる可能性が高いことは変わらない事実です。
高齢者の転倒は死亡事故に直結する確率が高く、死亡事故まではいかずとも転倒による骨折を起因として、一生寝たきり状態になってしまう方も多数いらっしゃいます。
ご自身も生まれ育った大切な家であり、ご両親にとっても住み慣れた家で最後まで暮らしたいという思いがきっとあるはずです。少しでも「ご両親のために何かしてあげられることはないか?」とお悩みの方がいらっしゃいましたらミライフまでご相談いただけますと幸いです。
電話でのお問い合わせ
リフォームをご検討中のお客様も、興味があるお客様も、どうぞお気軽にお問い合わせください。
- ミライフカスタマーセンター (9:00~17:30 日祝を除く)
- 0120-046-370
メールでのお問い合わせ
- ご記入いただいたお客様の個人情報は、お客様のご相談に対応する目的でのみ利用させていただきます。
- 土・日・祝日・年末年始期間、お問い合わせの内容等により、回答までにお時間のかかる場合もあります。予めご了承ください。
- お客様への回答は、お客様個人にお送りするものです。弊社の許可なく回答メールの一部または全部を他に転用することはご遠慮ください。
- お電話にて詳細を確認させていただく場合もございますので、予めご了承ください。